上部内視鏡検査(胃カメラ)について
上部内視鏡検査とは一般に胃カメラと言われてきた検査で、内視鏡を口や鼻から挿入し咽頭・食道・胃・十二指腸と観察します。
腹痛、胃もたれ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃がん等の診断を行います。
下記のような方に上部内視鏡検査(胃カメラ)、検査をおすすめします。
- 上腹部の痛み
- 胃の不快感、胸焼け、のど・胸のつかえ感
- 食欲不振、吐き気、嘔吐がある
- 黒い便が出る
- 貧血を指摘されている
- 体重が急に減った
- バリウムによる胃の検診で異常を指摘された
- 過去に胃・十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変と言われている
- 食道がん、胃がんを治療したことがある
この他にもがんになった家族がおられる方、飲酒、喫煙習慣のある方も検査をおすすめします。
がんは早期発見が重要です。一般的にがんの早期発見のためには40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることが重要です。
当院は岐阜市胃がん検診(胃内視鏡検査)委託医療機関です。
上部内視鏡検査の流れ
・経鼻内視鏡検査の場合(鼻からの内視鏡検査)
直径5mmの内視鏡を鼻より挿入し検査を行います。経鼻内視鏡は、通常の経口内視鏡に比べて嘔吐反射が出にくいとされています。
そのため胃カメラ検査時のえづきが強い方や、食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎などで胃から食道に空気が抜けやすいゲップが多い方では、検査時の苦痛が少なくなります。
この部分にスコープは触れにくいため楽に検査が行えます。
- 鼻の違和感はありますがスコープが細いため苦痛を感じるほどではありません。
- 吐き気や挿入時の苦しさはほとんど起こりません。
- 検査中は口呼吸することにより、楽に検査を受けることができます。
- 鼻の状態により鼻から出来ない事もあります。
- その場合、口からに切り替わります。
- 検査前日夕食は早めにとり、それ以降は何も食べず、水かお茶のみとして下さい。
- 検査当日は、起床時にコップ1杯のお茶又は水を必ず飲んで下さい。
- その際、指示された薬は内服して下さい。それ以外の薬は中止して下さい。
- 朝食は食べずに来院して下さい。
- 検査前に装飾品・マニキュア・口紅・入れ歯・コルセット等は外して下さい。
- タオルを1枚持参して下さい。
- 胃の中を見やすくため水薬(消泡剤)を飲みます。
- 鼻にスプレーをします(むくみを取り、鼻出血の予防になります)。
- 麻酔ゼリーを両鼻に注入し、3分間待ちます。
- 細い管を片鼻3分間ずつ両鼻に挿入します。
- 検査開始
・経口内視鏡検査の場合(口からの内視鏡検査)
直径9mmの内視鏡を口より挿入し検査を行います。
経口内視鏡検査は、胃の粘膜の色調など詳細な観察が可能であり、また病変の一部を採取(生検)し、培養検査や病理検査に提出できることや、止血処置や異物除去などの内視鏡処置ができる点が利点です。
食道や胃粘膜の細かい変化を観察するために、特殊な色素液を散布することがあり検査後、尿に色が混じる、胸やけが残ることがあります。
病変が認められた時は、その部分を一部採取し、詳しい組織検査を行います。その結果が出るのに、約1週間かかりますので後日改めて受診して下さい。
- 検査前日夕食は早めにとり、それ以降は何も食べず、水かお茶のみとして下さい。
- 検査当日は、起床時にコップ1杯のお茶又は水を必ず飲んで下さい。
- その際、指示された薬は内服して下さい。
- それ以外の薬は中止して下さい。
- 朝食は食べずに来院して下さい。
- 検査前に装飾品・マニキュア・口紅・入れ歯・コルセット等は外して下さい。
- タオルを1枚持参して下さい。
- 胃の中を見やすくため水薬(消泡剤)を飲みます。
- のどの麻酔を3-5分間、のどに溜めたのち、吐き出します。
- 検査開始(必要に応じて、のどの麻酔を追加することもあります。)
- 内視鏡の挿入時に嘔吐反射や異物感を感じる事がありますが、鎮静剤を使用した経口内視鏡が可能です。
- 薬の作用で眠気をもよおす場合がありますので、車を運転しての来院は御遠慮下さい。
- 検査後に休憩をお願いする場合が有ります。
- 検査後、1時間は食べたり飲んだりできません。
- 組織を採取した場合は、2時間食べたり飲んだりできません。
大腸内視鏡検査について
大腸内視鏡検査とは、肛門からカメラ(内視鏡)を挿入して大腸全体を観察する検査です。
腹痛や便通異常、出血、便潜血の原因となる、大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患の診断を行います。
大腸がんは便通異常、腹痛、下血などの異常で見つかる場合もありますが、早期がんやポリープの段階では明らかな自覚症状が見られない場合がほとんどです。
早期の段階で発見・治療するためにも今後も大腸内視鏡検査を受けられることをおすすめします。
また、症状がある方はもちろんですが、
- 検診などで便潜血反応陽性を指摘されたことがある方
- 以前にポリープなどの大腸腫瘍の治療を受けたことがある方
- 血縁者に大腸がんを含むがん患者さんがいらっしゃる方
- 貧血を指摘されている
- 体重が急に減った
- 50歳以上で一度も大腸の検査を受けたことがない方
- 飲酒、喫煙習慣のある方
以上の項目に当てはまる方にも検査を受けていただく事が望ましいです。
がんは早期発見が重要です。一般的にがんの早期発見のためには40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることが重要です。
検査の事前準備は大変ですか?痛みも心配です。
正確な診断には食事も重要です。3日前から消化に良い物を食べて下さい。痛みは炭酸ガスを使用する事でおなかの張りを感じにくくし、痛みを抑えています。
検査の流れ
◎食事について
消化の悪いもの、野菜類など繊維の多いものは避け、消化に良い食べ物を食べましょう。水分はできるだけ多く飲みましょう。
食事は朝よりサンケンクリン食(検査食)のみです。 サンケンクリン食以外は食べないで下さい。
水分はお茶か水のみとして下さい。
夜寝る前に、錠剤(セノンシド)2錠・水薬(ラキソベロン)1本(水100mlに混ぜる)を飲んで下さい。
- 便秘気味で下剤を処方されている方は看護師にお伝え下さい。
- 水分は出来るだけたくさんとって下さい。
- 検査内容によって入院の可能性がありますので、印鑑と1泊入院ができるように準備してご来院下さい。
朝から絶食です。当日の内服は指示された薬のみ内服して下さい。朝7時よりマグコロール(下剤)を飲み始めて下さい。
約1時間を目安に飲みきって下さい。
- 下剤を飲み始めて1時間程すると便が出始めます。便が出るたび状態を確認し最終的には水のような黄色の透明な便になっていきます。説明は事前にお話します。
注)下剤を飲み始めて、気分が悪くなる、吐いて飲めない、腹痛等がありましたらすぐに連絡もしくは来院して下さい。
肛門から内視鏡をいれて大腸全体を観察します。検査中は医療用の炭酸ガスを使いお腹の張りを感じにくくし、痛みを抑えています。炭酸ガスは自然に体内に吸収されていきます。
鎮痙剤を使用した場合は外来にて眠気やふらつきがある場合は院内で休んで頂きます。組織検査などの結果は、後日説明があります。
大腸ポリープ切除法
内視鏡検査の際に大腸ポリープが見つかった場合には、この場で切除し同時に治療を行います。
大腸ポリープは大きくなるにつれ、がん化の傾向も強くなっていきます。
特に5mm以上のポリープは早めの切除が望ましいと考えられます。
ポリープの切除は内視鏡を通してスネアーと呼ばれるワイヤーをポリープにかけて電気メスで焼き切ります。
切除したポリープは顕微鏡で観察(病理組織診断)し良性、悪性の判別 します。悪性ならその程度を調べます。
大腸粘膜に痛みを感じる事はありませんが腸の中には切除した後の傷が一定期間残ります。
激しい運動や飲酒などにより出血や穿孔する危険性があります。そのため検査治療後は以 下の点に気をつけて生活して下さい。
- 検査前後には体調を整え過労などを避けるようにして下さい。
- 術後1週間はゴルフ、水泳などの運動や旅行等は出来ません。
- 治療した日の入浴は熱いお湯に入らずシャワー程度にして下さい。
- 治療した日の食事は固いものや香辛料など食べず、消化の良い物を少なめにして下さい。
- アルコールを飲むと出血しやすくなりますので、治療後1週間は禁酒して下さい。
- 抗凝固剤(血が固まりにくくなる薬)を内服している方は、治療前後に中止していただく必要があります。
- 指示された休薬期間を守って下さい。
出血することはごくまれですが、しばらくの間は便の性状に気をつけて下さい。
もし多量の出血が見られる、おなかが激しく痛むようなときは当院へご連絡して下さい。
検査に使用した薬のために便に青い色がつくことがありますが心配ありません。