
新型コロナウイルス感染へのツボ療法 その2 症状別のツボ
東洋医学・漢方
2025.11.05
症状別のツボ
〜 感冒様症状を緩和するツボ療法 その2 〜
次に症状別のツボを記載します。
前回の「病期別のツボ」に加えて、特定の症状が強く出るようならば下記のツボを併用すると良いと思います。
発熱
発熱のツボ
ツボ:大椎、合谷
悪寒がある場合でも、無い場合でも発熱に対して使用が可能です。
悪寒を伴う場合はカイロや灸で温めるとよいです。悪寒のない場合は針刺激(爪楊枝で代用可)が良いです。
悪寒を伴う場合はカイロや灸で温めるとよいです。悪寒のない場合は針刺激(爪楊枝で代用可)が良いです。
咽頭痛
咽頭痛のツボ
ツボ:
① 合谷、曲池
② 商陽、少商
③ 列缺、照海
④ 外関、風池
⑤ 耳つぼの扁桃体、咽喉
①合谷、曲池は解熱鎮痛のツボです。
②商陽、少商は手の親指、人差し指の爪先にあり、喉の熱を冷ます作用があります。扁桃炎のような熱を伴う強い痛みに良いです。
③列缺、照海は喉を潤しながら、痛みを抑える印象です。イガイガする不快な感じの咽頭痛に有効です。
④喉に加えて耳や後頭部も痛むときは外関、風池がよいです。
⑤耳つぼでは、耳たぶの下の方に扁桃体というツボや耳珠周囲には咽喉と鼻のツボがあるので、耳たぶや耳珠を揉むのも良いです。
①を中心にして②~⑤を適宜追加するとよいと思います。
鼻水、鼻閉
鼻水、鼻閉のツボ
ツボ:
① 肺兪
② 合谷、列缺
③ 迎香、印堂、上星
④ 足三里
⑤ 復溜
鼻水は肺と胃と腎の弱りからくる場合が多いです。
①薄い鼻水には背部にある肺兪をカイロで温めると楽になります。
②合谷と列缺のコンビネーションは鼻や喉などの上気道のトラブルに良いです。
③迎香、印堂、上星は鼻の横、眉間、前額部のツボで、鼻周りの局所を刺激することで鼻の通りを良くする効果があります。
①~③に④足三里を加えると胃を補って小青竜湯に、⑤復溜を加えると腎を補って麻黄附子細辛湯に近い効果となります。
咳
咳のツボ
ツボ:
① 肺兪、中府、孔最、尺沢
② 胸のつかえる感じ:天突、膻中
③ 痰が多い時:豊隆、陰陵泉
④ 熱っぽい時:二間、魚際
⑤ 空咳:列缺、照海
咳には①の肺兪、中府、孔最、尺沢などの肺経のツボが有効です。
②天突や膻中という胸骨前面のツボが胸の詰まった感覚に有効です。漢方薬では半夏厚朴湯のような感じでしょうか。
③痰が多い時は豊隆、陰陵泉を追加すると良いです。小青竜湯に似た作用となります。
④熱を伴う場合は清熱作用のある二間や魚際を追加すると麻杏甘石湯に近づきます。
⑤空咳の場合は列缺、照海を追加すると肺を潤して咳を止める作用があり、麦門冬湯に近い印象になります。
頭痛
頭痛のツボ
ツボ:合谷、外関、後渓 + 局所の圧痛点
手にあるツボでは前頭部痛には合谷、側頭部痛には外関、後頭部痛には後渓を刺激するとよいです。
手のツボの刺激に加えて頭痛のする局所の圧痛点を刺激すると楽になります。
手のツボの刺激に加えて頭痛のする局所の圧痛点を刺激すると楽になります。
吐き気、腹痛、下痢
吐き気、腹痛、下痢のツボ
ツボ:
① 内関、公孫
② 足三里、陰陵泉
③ 内庭、厲兌
④ 肝兪、脾兪、胃兪
①吐き気、腹痛などの消化器症状一般には内関、公孫の組み合わせの有効性が高いです。
②腹痛の少ない水様下痢、食欲不振、体のだるさには足三里、陰陵泉が有効です。
③疼痛、発熱を伴うような嘔吐下痢症には内庭、厲兌がよいです。
④肩甲骨の下あたりに胃腸のつぼがあります。この辺りをテニスボールで揉むのもよいです。
不眠、不安、イライラ
不眠、不安、イライラのツボ
ツボ:
① 安眠、失眠
② 神門、膻中
③ 太衝、合谷
④ 心癒、肝兪
①不眠症には完骨の後ろの安眠、踵(かかと)の失眠が有名です。
②不安や心配事があるときは神門、膻中を、③イライラや怒りのあるときは太衝、合谷を加えると良いです。
④メンタルに負担がかかると肩甲骨の間がこるので、この部分をテニスボールなどで重点的にほぐしましょう。
倦怠感
倦怠感のツボ
ツボ:足三里、三陰交、合谷、関元、気海、百会
足三里、気海は胃腸を助け気力を増し、三陰交、関元は貧血を改善するなど不足を補うと言われます。
合谷、百会は衛気を巡らし、陽気を持ち上げる働きをします。
合谷、百会は衛気を巡らし、陽気を持ち上げる働きをします。
全体で十全大補湯や補中益気湯のような効能があります。刺激の方法は足湯で温めたり、下腹部にカイロを貼るのも良いと思います。
ブレインフォッグ
ブレインフォッグのツボ
ツボ:百会、湧泉、風池、肩井
頭部への気血の巡りが悪くなり、脳の活動が低下してくると頭のてっぺんの百会が浮腫んでくるのがわかります。
百会周辺の浮腫みを取るように刺激すると頭がスカッとします。
百会周辺の浮腫みを取るように刺激すると頭がスカッとします。
また東洋医学では脳髄は腎が司るとされており、腎経の始点である足の裏の湧泉への刺激は脳に働きかけます。
肩や後頭部の凝りも脳への血流を妨げるので、風池や肩井などの凝りをほぐすことも有効です。
肩や後頭部の凝りも脳への血流を妨げるので、風池や肩井などの凝りをほぐすことも有効です。
コラムを記載するにあたり
コラムを記載するにあたり、以下の書籍を参考にしました。私は漢方薬から東洋医学を勉強したので、①、②は処方とツボが対応させてあり、ツボのイメージをつかみやすかったです。
③は症状別に有効なツボが列記してあり、外来において活用しています。
④は西洋医学の医者が記載した鍼灸の本で、入門としてわかりやすいです。参考になれば幸いです。
参考文献:
- ① 傷寒論鍼灸配穴選注 (単 玉堂 著, 木田一歩 翻訳)
- ② 中医鍼灸 鍼灸処方学 (李宛亮, 李伝岐)
- ③ すぐに役立つ鍼灸処方162選 (張 仁, 田久和 義隆)
- ④ 東洋医学見聞録 (西田 皓一)
このコラムを書いた人
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 : 渡邊 学

