日本乳がん検診精度管理中央機構の主催する超音波部門の更新講習会を受講してきました。
日本乳がん検診精度管理中央機構の主催する超音波部門の更新講習会を受講してきました。(2024年2月4日)
試験にも無事合格して一安心しました。今後も引き続き精度の高い検査を提供できるように努力を続けて行こうと思います。
乳房の検査に関して
- 「乳がん検診ではマンモグラフィーと乳房超音波検査のどちらを受けたら良いのですか?」という質問をよく受けます。
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「マンモグラフィーと超音波検査では片方で見えて、片方で見えないものがあるので両方を併用した方が、見逃しが少なくなります。」と説明をしています。
マンモグラフィーと超音波検査を併用した方がマンモグラフィー単独の場合より、感度とStage I乳がんの発見数が上昇すると報告されています。
つまり見逃しが減り、治療可能な早いタイミングで病気が発見されやすくなるということです。
ただし併用した場合に偽陽性(精査が不要なのに必要と評価されること)が上昇するとも報告されています。
これを防ぐためにマンモグラフィーと超音波検査を別々ではなく総合的に評価することや、精度管理(講習会での認定など)が重要とされています。(ちなみに当院ではこの条件を満たしています。)
- 「どちらか片方だけではだめですか?」という質問に対して
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1. 「どちらか一方のみであればマンモグラフィーをお勧めします。」と答えます。
超音波検査単独の検診での感度はマンモグラフィーを凌駕するものではなく,またマンモグラフィーでは証明されている死亡率低減効果は,超音波検査においてはエビデンスとして証明されていないからです。
2. 「ただしマンモグラフィーで高濃度乳房(デンスブレスト)を指摘されたことのある方や40歳未満の方は超音波検査の併用をお勧めします。」と付け加えます。
これらの方は乳腺の密度が高く、マンモグラフィー単独では病変がわかり難い事があるためです。
乳がん検診におけるマンモグラフィーと超音波検査について記載しました。
どの検査を受けるべきか不明な点がありましたらスタッフに気軽にお声がけ下さい。
参考文献:
Q1 乳がん検診について教えてください | ガイドライン目次 | 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 (xsrv.jp)
CQ1 Hand-Held(用手的)超音波検査は乳がん検診として推奨されるか? | 検診・画像診断 | 乳癌診療ガイドライン2022年版 (xsrv.jp)
書いた人
岐阜市 加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 渡邊学