
ニキビと漢方:五行から見る漢方治療
ニキビと漢方
〜 ニキビの場所・色から探る五臓の不調 〜
漢方外来をしていると、ニキビの相談が時々あります。
今回は、ニキビのできた場所や色から病んだ五行、五臓を推察し、治療する方法を紹介します。
五行と顔面への投影
木・火・土・金・水の五行の図は五角形の形で表されることが多いですが、以下に示すように、中心に土を置いて、その他を四方に配置した十字の形で表すこともあります。
それぞれの五行に司る方位、色、臓器があります。
この五行の図を体表に投影する診察法があります。五行を顔面に投影すると下の図のようになります。
この図を参考に、ニキビのできた場所や色から問題となる臓器を推察して治療をするわけです。
以下に、ニキビの場所と色による特徴を書いてみます。
おでこ、赤ニキビ
熱や炎症が主体で、はしゃぎすぎてカーっとのぼせる、多血で元気な若者に多い印象です。
【漢方薬】 熱を冷ます清上防風湯、治頭創一方、瀉心湯類など。化膿傾向が強い場合は排膿散及湯を追加します。
鼻・口、黄ニキビ
食べ過ぎ、飲みすぎによる胃腸障害や悩み、考えすぎでモンモンとした状態がベースにあることが多いです。(私も暴飲暴食をすると鼻の横に吹き出物ができます)
【漢方薬】 半夏瀉心湯や黄連解毒湯などの胃薬。便秘をする場合は大黄で下します。大黄、黄芩、黄連、黄檗など黄色い生薬が良いようです。
右頬、白ニキビ
乾燥、便秘がベースにある事が多く、マスクによる肌荒れで増えました。悲しい事、つらいことが背後にある場合があります。
【漢方薬】 温経湯や白虎加人参湯で潤いを与えつつ温めたり、冷やしたり。便秘が強い場合は防風通聖散でデトックスをしたりします。
左頬、青ニキビ
ストレスや寝不足による血流、解毒能力の低下がベースです。イライラ怒りっぽくなる場合があります。
【漢方薬】 ストレスを抑え解毒する柴胡剤を中心に選択します。十味敗毒湯、荊芥連翹湯、加味逍遙散など。
顎、黒ニキビ
ホルモンバランスの乱れや冷え浮腫み、恐怖によるビクビクした感情などがベースにあります。
【漢方薬】 当帰芍薬散、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、四物湯などのホルモンバランスに働きかける処方を使用します。
処方は一例で、当てはまらない場合もありますが、一つの考え方として知っておくと参考になると思います。自分の体調のセルフチェックにも役立つと思います。
顔面の診察は奥が深く、今回の五行の他に後天八卦図を投影したり、顔に人体をあてはめる小人法など色々な方法があります。
東洋流の人相占いなどもルーツは同じで研究すると面白く、日常診療で参考になる事もあります。
「黙って座ればぴたりと当たる」
境地を目指したいところです。

