
バタフライエフェクトとは?蝶がもたらす幸運の「兆し」とシンクロニシティー
バタフライエフェクト 蝶と兆の関係
岐阜公園の名和昆虫博物館にモルフォ蝶のきれいな標本が飾られています。モルフォ蝶の標本を見てバタフライエフェクトという言葉を思い出しました。
バタフライエフェクトは正式にはカオス理論の初期値鋭敏性を表現する比喩とされますが、現在では「蝶の羽ばたきの様な小さなきっかけが巡り巡って竜巻のような大きな変化を巻き起こす」という意味で用いられることが多い様です。

胡蝶蘭
10月は乳がん啓発のピンクリボン月間です。当院では毎年ピンクリボン月間にはピンク色の胡蝶蘭を飾っています。
ピンクの胡蝶蘭の羽ばたきがきっかけとなり乳がん検診への関心が高まれば、これも一種のバタフライエフェクトかなと思います。胡蝶蘭の花言葉は「幸せが飛んでくる」だそうですよ。

シンクロニシティー
バタフライエフェクトは「大きな変化の前には小さな予兆がある」という意味で、虫の知らせやシンクロニシティー(意味のある偶然)のニュアンスで使われることがあります。

シンクロニシティーを提唱したユングは易経に精通しており、易経の研究がシンクロニシティーのアイディアに寄与したとも言われます。易占は易卦という予兆から変化を予想する術であり、英語では易経を「The Book of Change;変化の書」と呼びます。
火天大有
バタフライエフェクトと易占を結びつけることの妥当性について易経に問うて見たところ、火天大有の卦が出ました。卦の名前がずばり「大いに有る」という答えでした。
また「火」は炎のようにヒラヒラ舞う蝶、「天」は空を連想でき、火天大有で空を舞う美しい蝶のイメージができます。この占断に私は蝶の羽ばたきとシンクロニシティーを見ました。蝶は兆(きざし)に通じるのかもしれません。

モルフォ蝶からバタフライエフェクト、ピンクの胡蝶蘭とピンクリボン活動、シンクロニシティー、易占について連想してみました。皆さんの周りに美しい蝶(兆)が羽ばたき、良い変化が訪れる事を願います。
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 : 渡邊学