漢方とツボで快適ドライブ!車酔いから肩こりまで解消法
ドライブの漢方とツボ
夏休みが終わり、秋の行楽シーズンとなりました。車で遠出をする際に役立つ漢方とツボを紹介してみます。
車酔い
漢方では五苓散が有名です。良く効かせるコツは前日から内服をしてコンディションを整えておくことです。また暴飲暴食をせず、早めに就寝することも大切です。
ツボは内関が有名で、内関を刺激する酔い止めバンドも販売されています。内関の対側にある外関とサンドイッチするようにマッサージすると効果がアップします。
リンパの流れを司る三焦経が薬指を通っているので、薬指と小指の間の中渚、液門も眩暈に効果があります。
下腿にある築賓も有効です。知り合いの鍼灸師は修学旅行前の子供に酔い止めとして皮内針を留置していました。米粒大に小さく丸めたアルミホイルを絆創膏で貼っても代用できます。
耳つぼでは耳たぶに内耳のツボがあるので耳たぶのマッサージもおすすめです。耳の周りにも眩暈のツボがあるので、耳周りのマッサージを追加するのも良いです。
私は加齢で三半規管が弱っており、子供と遊園地の乗り物に乗ると高率で気持ち悪くなります。その際は必死に内関、外関、耳たぶのマッサージをします。多少楽になる気がします。
肩こり、眼精疲労
長距離の運転では肩が凝り、目が疲れます。そんな時は葛根湯が有効です。
肩から頭、目にかけての凝りをほぐして症状を緩和してくれます。エフェドリンの作用で少しシャキッとします。
注)眠気覚ましのコーヒーと一緒に飲むと、胃腸が弱い人は気持ち悪くなるので気を付けてください。
一緒に少し甘い物をつまむと疲れ、集中力が改善するのでおすすめです。
ツボの刺激もおすすめです。
- 合谷、身柱。合谷は上半身に効く万能のツボです。ハンドル操作で凝るのでほぐすと良いです。身柱は肩甲骨の間の一番凝るところです。疲労回復、精神安定作用があります。
- 睛明、臨泣。 眼がすっきりしそうな良い名前ですよね。眼精疲労に局所刺激が有効です。
- 風池、肩井。 肩、後頭部をほぐすと目も冴えます。
- 太衝、陽陵泉。 足のつぼ。筋肉のこわばりや精神的な緊張には肝、胆経のつぼが有効とされます。
指圧もよいですが、おすすめはお灸です。効果が全然違います。
松尾芭蕉が足三里のお灸を愛用したように、私は長距離運転の際はサービスエリアでの台座灸を愛用しています。合谷、太衝、陽陵泉は簡単です。背中に貼ってくれる人がいれば身柱、肩井は特におすすめです。
ジーンと熱が伝わり凝った経絡が疎通するのがわかります。個人的には合谷と身柱を愛用しています。
このコラムがきっかけでタバコ休憩のかわりにお灸休憩をする人が増えないかしら?と思っています。
イライラ
ドライブでイライラしてしまっては楽しくありませんし、事故の元になります。運転中にイライラしやすい自覚がある場合は漢方薬の予防的内服も良いかもしれません。
顔を赤くして怒る人には黄連解毒湯、怒ると顔が青ざめる人には抑肝散がよいとされています。眠くならないので運転前に内服しても大丈夫です。
眠気
休憩するしかないですが、サービスエリアまでのつなぎとしてツボ刺激を提案しておきます。
人中、百会、十宣は覚醒のツボとされているので、眠くなったら強くつねったり、爪を立てて押したりすると多少気がまぎれます。何はともあれ早めの休憩を心がけましょう。
ドライブに関連した漢方とツボを紹介してみました。楽しく安全なドライブに漢方の知恵を役立ててみてください。
書いた人
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 渡邊学