【東洋医学×西洋医学】移精変気とバッチフラワーによる気で病気を克服する方法
移精変気の法
漢方の治療法に湯液、鍼灸の他に移精変気というものがあります。祝由(お祈りやおまじない)によって病気に集中した精神を別に移し、気の流れを変えることで病を癒す方法とされます。
病気になると病気のことばかりが気になってしまいます。傷をしてカサブタができるとつい剝がしたくなるのに似ています。しかし傷を気にしていじくりまわすと却って治りが悪くなります。
清潔にして、薬をつけた後は気にせず放っておく方が治りが早いのです。移精変気の法は病気に集中していじくりまわしたくなる気持ちを上手にそらして自己治癒力を高める手技と言えます。
難しい方法ではありません。転んで泣いている子供に「痛いの痛いの飛んでいけ~」と唱えてさすってあげることが移精変気の最も有効な例だと思います。気が紛れて、ぐずっていた子供に笑顔が戻ります。疑り深い大人には効果が少なく、素直な子供に良く効くのもこの方法の特徴です。
私は移精変気の方法の一つとしてバッチフラワーが気に入っています。
バッチフラワーは占星術がベースにあり、おまじない的な側面が強いのも祝由っぽくて気に入っています。
38種類のネガティブな感情に気持ちが集中して心が病んだ際に、それに適応した花のエッセンスを摂取することで、悪感情が浄化、昇華されるとされます。困った感情のループに落ち込んだ際に適応したレメディーを内服し、「嫌な気持ちよ飛んでいけ」「bye-bye butterfly」と唱えれば、気の流れが変わり、移精変気が完了します。オープンラベルプラセボの一種と考えてよいと思います。
バッチフラワー以外にも、宗教や、家族との会話、呼吸法、音楽、運動、笑いなど移精変気、気分転換の方法は色々あると思いますが、いざという時に使えるように平時から色々試して、練習しておくことが大切です。
病は気から。百病は気から生じると言います。感情の暴走を制止し、心を安定させ、気の流れを良くすることが病気予防に非常に重要なのだと思います。皆さんも自分にあった移精変気の方法を探してみてください。
書いた人
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 渡邊学