
冷え性は万病のもと!ツボを狙ったカイロの貼り方とおすすめの漢方薬
ツボを意識したカイロの貼り方と漢方薬
「冷えは万病のもと」と言います。今回のコラムでは冷え性に対するツボを意識したカイロの貼り方と漢方薬を紹介します。東洋医学の知恵を利用して万病のもとである冷えを退けて下さい。

① 背中
ツボ 風門・肺兪
漢方 辛温解表:葛根湯・麻黄湯
効能 風邪、咳、肩こり

風邪のひきはじめの背中のぞくぞく感を誰もが経験したことがあると思います。漢方では風邪は背中にある風門から入りこむとされます。風門のすぐそばに咳や喘息に対応する肺兪のツボもあります。
カイロで風門と肺兪を温めて風邪をブロックします。漢方薬では辛温解表薬が処方され、代表は葛根湯や麻黄湯です。背中の褐色脂肪細胞を刺激して体温を上げ、風邪を汗から排出します。肩こりにも有効です。
② おなか
ツボ 神闕・関元
漢方 温中散寒:人参湯・大建中湯・当帰芍薬散
効能 腹痛、下痢、生理痛

お腹が冷えると腹痛や下痢を起こします。そんな時に病院ではお腹にホットパックをして症状を緩和します。
おへそを神闕と呼び、昔は塩を詰めてお灸をしました。関元は臍下丹田のことで元気の源です。関元にお灸を続けて精力絶倫となった人を解剖したら下腹部に大きな硬い塊があったという記録もあります。
神闕、関元を温めることは気血を養い、滋養強壮に働きます。漢方薬では温中散寒薬を処方します。代表は人参湯と大建中湯で朝鮮人参、乾姜、山椒がお腹を中から温めます。大建中湯を処方する際の口訣に「おへその冷え」があります。
③ 腰
ツボ 命門・腎兪
漢方 補腎・温陽利水:真武湯・八味地黄丸・当帰芍薬散・苓姜朮甘湯
症状 腰痛、生理痛、頻尿
足元から入り込んだ冷えが腰痛や排尿異常、生理痛を引き起こします。おへその反対側の背中に命門、腎兪というツボがあります。
命門は名前の通り、命の出入り口です。ここを温めることで生命力を高め、泌尿生殖系のトラブルを防止します。漢方薬では補腎・温陽利水薬が処方されます。
トリカブトを加工した附子が有名で、真武湯、八味地黄丸などに配合されます。附子には体を温める他に強心、鎮痛作用もあります。当帰芍薬散は女性の聖薬とも呼ばれます。
当帰、川きゅうが血流を改善し、蒼朮、猪苓、茯苓が利水をして冷えからくる生理痛や浮腫みを和らげます。また苓姜朮甘湯には「水中に座っているような腰下肢の冷え」に有効という口訣があります。
カイロで外から温め、漢方薬で中から温めると効果が倍増します。ただし温めすぎるとのぼせて気分が悪くなったり、やけどをしたりする弊害もありますので注意してください。
冷えは足元から入り込みます。短い靴下やスカートで足を冷やしてしまっては上記のカイロや漢方薬も効果不十分となります。下肢には湧泉、三陰交、足三里などの気血を補う重要穴があります。厚めの靴下を履いて冷えの侵入を防ぎ、足湯、ヒーターなどで足を温めることも大切です。

頭寒足熱も重要です。お風呂の水は放っておくと上が熱く、下が冷たくなるため、かき混ぜる必要があります。人間もじっとしていると頭がのぼせて、足が冷えます。体を動かして血流を良くして体温をかき混ぜることも肝要です。

冷え性に対するツボを意識したカイロの貼り方と漢方薬を紹介しました。東洋医学の知恵を利用して万病のもとである冷えを退けて下さい。
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 : 渡邊学



