易経の教えを活かす!!コロナ時代のマスク着用
東洋哲学における易経
東洋医学を勉強しているとその背景にある東洋哲学にも興味がわいてきます。
東洋哲学の中で易経は最高峰のテキストです。
論語を記した孔子が易経を何度もすり切れるまで読んだというのは有名です。
易経は現代の日本では占いの一種と認識されていますが、一昔前までは知識人の必読書でもありました。
かく言う私も数年前までは全く読んだことがありませんでしたが、東洋医学を学び始めてから、少しずつ勉強をしています。
マスク着用の個人判断が話題になっているので、マスクに関係する口をテーマにした易卦をいくつかあげて、自分の勉強もかねて考察してみようと思います。興味のある方はお付き合い下さい。
口をテーマにした易卦
火雷噬嗑(からいぜいごう)
硬い食べ物を噛み砕く形です。困難はあるが、噛み砕ける。障害は刑罰を用いてでも取り除けという強い卦です。
まさにコロナが大流行した2020-2022年の状況で、マスク、ロックダウン、ワクチンなどとにかくコロナの流行を止めるのに皆が必死で頑張りました。
そしてなんとか収束に向かいつつあります。あきらめずに戦えば困難は噛み砕けるのです。
山雷頤(さんらいい)
口の中の異物がなくなった、平和な時です。コロナがやや落ち着いた現在の状況でしょうか。
平和な時こそ健康、仕事、勉強などで自分を高める良い養分を蓄える努力をするべきです。
しかし平和な時には気が緩みつい食べ過ぎたり、余計な口論をしたりしてトラブルを起こしがちです。
この卦は自分に必要なものを正しく取捨選択し、飲食言語の節制をするように戒めています。マスク着用が自己判断になっても気を緩めるなというところでしょうか。
兌為沢(だいたく)
口に関連した喜びを表します。飲んで、食べて、歌って、語りあって。
リーダーが楽しそうに働けば部下もがんばります。今年の春は多くの職場で歓迎会が解禁されるのではないでしょうか。
この卦の表す楽しい状況が来ることを期待します。しかし喜びも正しいものでなければいけません。
不正な一時の快楽に溺れると、異性問題や舌禍事件に陥ります。この卦は何でも楽しむことの大切さを説いています。
しかし楽しい雰囲気に流されて軽率な行動や大きな決断を行うことはよくありません。また快楽に溺れ堕落しないよう戒めています。
風沢中孚(ふうたくちゅうふ)
外卦と内卦が向き合ってキスをしている形です。親鳥が巣を守る形でもあります。
マスクを外せる恋人や親子の関係です。愛情と真心があれば万事うまくいきます。
しかし隠し事が露見する暗示もあります。
火雷噬嗑のように強権的に困難を乗り越えるのではなく、心を通じ合わせ、協力して乗り越える時です。
今はコロナも落ち着いていますが、また波が来ることもあるでしょう。
その時は中孚の様に誠実に協力して乗り切れると良いなと思います。
漢方に関連して東洋哲学にも興味を持ってもらおうと思いコラムを書きました。