乳房痛の漢方 ~女性ならではの悩みも~
乳房痛への漢方
加味逍遙散がとても良く効きます。構成生薬を見てみると芍薬、甘草という痛み止めの成分があり、柴胡というストレスを緩和し、側胸部のつまりをとる生薬が配合されています。
またイライラやのぼせをさますオウゴンや薄荷、血流を改善する当帰、牡丹皮が配合されています。これらが総合的に作用して、良く効きます。加味逍遙散は女性の一切の訴えに効くという口訣は伊達ではありません。下剤は入っていませんが、お腹の緊張が解けて、便通が改善する人もいます。
女性ならではの悩みも
乳房痛以外の便秘、頭痛、イライラ、皮膚症状などの付随症状が一緒に改善に向かうこともままあります。症状の改善に乏しい場合は加味逍遙散をベースとして様々な加減が可能です。イライラ、のぼせが強ければ抑肝散、釣藤散や温清飲、胃腸の虚弱や疲れがあれば六君子湯の併用などは有用です。
うるおいをつける意味で補血剤の四物湯と合方して湿疹にも使用されてきました。また同系統の薬剤に女神散という、いかにも女性に良く効きそうな名前の薬剤もあります。