
観光の語源は易経にあり|岩倉使節団が示した本当の観光の意味
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観光の語源は易経にあり
観光の語源は易経に由来するとされます。易経、風地観の四爻に、
「観国之光 利用賓于王」とあります。
意訳すると、
「国、社会、人の光る所を観て、客人として学ばしてもらいなさい」
といった感じでしょうか。
近代日本で観光を有名にしたのは、明治維新の岩倉具視の米欧使節団です。
西洋文化を勉強、観察に行った使節団を西洋の列強は賓客(大切な客人)として優遇し、国の光を観せて色々教えてくれたようです。明治の政治家は遊びの視察ではなく、本当の意味で観光をしたのです。

「他者の光る所を観て学び、客人としてふさわしい振る舞いをする。
自分の光る所を観せて教え、大切な客人としてもてなす。」
そんな相互関係が理想の観光なのだと思います。
風地観は
立ち止まって観察、反省する事を教える卦であり、軽挙妄動を戒めています。
また、自分が見ている以上に他者からも見られており、襟を正しなさいと忠告しています。
観の卦は神社の鳥居の形にもみえます。人間は神様を簡単に観ることはできませんが、神様は全て観ておられるのです。

観光業界がざわついているので、観光の語源とされる易経、風地観の教えを記載してみました。風のように柔軟に、大地のように謙虚に、立ち止まって観察、反省をする時です。今後本当の意味での観光が発展することを応援します。
このコラムを書いた人
岐阜市・加納渡辺病院
外科専門医・漢方専門医 : 渡邊学



